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身近な契約の落とし穴~契約にくわしくなろう~身近な契約の落とし穴~契約にくわしくなろう~

各設問に対して一度考えてみてから、「回答・もっと詳しく」を押してみて考えたことと照らし合わせてみよう!

「契約」が成立するのは、次のどの時でしょうか。

  1. 電話で商品を注文した時
  2. 商品を使った時
  3. 注文した商品が届いた時

回答1 電話で商品を注文した時

商品の売買や利用で消費者(買い手)と販売者(売り手)の間で、商品の内容や価格、引き渡し時期などについてお互いが合意すれば、「契約」は成立します。

「契約」は口約束でも成立するでしょうか。

成立します。

契約書や印鑑、サインは証拠を残すためのものであって、お互いが合意すれば口約束でも「契約」は成立します。

約束はすべて「契約」になりますか。

約束が全て「契約」ということではなく、法的な責任(権利・義務)が生じる約束を「契約」と言います。

お店で「よく似合う」と言われて服を買ったのですが、家に帰って着てみるとなんだか気に入りません。返品できるでしょうか。

返品できません。

商品に破れなどの欠陥がなければ返品はできません。一度契約すると、自分の都合で 勝手に契約をやめて、商品を返品することはできません。サイズ交換や返品を受けてくれるのは店の好意です。

はたちを祝う日に間に合うと言われ、式典で着るために振り袖を注文したのにできあがりが遅れ、はたちを祝う日に間に合いませんでした。代金を支払わないといけませんか。

支払う必要はありません。

式典に間に合うという約束で注文した振り袖が届かなかった場合、相手方の債務不履行となり、契約を解除することができます。

自分の都合では契約は取り消せませんが、こんな場合は契約を取り消すことができます

  • 相手が契約を守らないとき(契約違反があったとき)
  • 双方で合意があったとき
  • 返品について特約があったとき
  • 未成年であったとき
  • だまされて誤解して契約をしてしまったとき
  • 脅されて怖くなって契約をしてしまったとき

※このほか「消費者契約法」で契約を取り消すことができる場合もあります。

【参考】消費者契約法
〔平成12(2000)年4月制定、翌年施行/平成28(2016)・30(2018)年改正〕

「消費者契約法」は、消費者と事業者の間には、情報の質や量、交渉力に大きな差があることから、取引において消費者の利益を守るための新しい民事ルールとして制定されました。事業者側の不適切な勧誘行為で結んだ契約を取り消したり、消費者の権利を不当に害する契約条項を無効とする法律です。販売勧誘の状況などによっては、「消費者契約法」により救済される可能性もあるので、近くの消費生活センターに相談しましょう。

対象
労働契約を除くすべての消費者契約(事業者と消費者の間の契約)が対象です。
取消事由
事業者の次のような行為によって、消費者が誤認・困惑して契約を結んだ場合は、取り消すことができます。
  1. 重要事項について事実と異なる説明があった場合(不実告知)
  2. 分量や回数などが多過ぎる場合(過量契約)
  3. 不確かなことを「確実だ」と説明された場合(断定的判断の提供)
  4. 消費者に不利な情報を故意又は重大な過失により告げなかった場合(不利益事実の不告知)
  5. 営業マンなどが強引に居座った場合(不退去)
  6. 販売店などで強引に引き留められた場合(退去妨害)
  7. 就職セミナー等(不安をあおる告知)
  8. デート商法等(好意の感情の不当な利用)
  9. 高齢者等が不安をあおられる(判断力の低下の不当な利用)
  10. 霊感商法等(霊感等による知見を用いた告知)
  11. 契約前なのに強引に代金を請求される等(契約締結前に債務の内容を実施等)
行使期間
消費者が誤認に気づいた時又は困惑状態から脱した時から1年、若しくは契約締結時点から5年以内。

(無効な契約条項) 次のような消費者に一方的に不当・不利な契約条項は無効です。

  1. 事業者に責任がある場合でも、「損害賠償責任はない」とする条項
  2. 「一切のキャンセルや返品・交換などを認めない」とする条項
  3. 成年後見制度を利用すると契約が解除されてしまう条項
  4. 消費者が負う損害金やキャンセル料が高過ぎる場合
  5. 消費者が一方的に不利になる条項

「消費者契約法」の詳細については、以下のページをご覧ください。

政府広報オンライン「これだけは知っておきたい消費者契約のABC」

未成年者(18歳未満)がした契約で取り消すことができるのはどれでしょう。

  1. 親に内緒で買った3万円の携帯電話
  2. おこづかいで買ったかばん
  3. 18歳だと自分でウソをついて契約したエステ

回答1 親に内緒で買った3万円の携帯電話

未成年者がする契約は原則、保護者(親権者、法定代理人)の同意が必要です。保護者の同意のない契約は本人や保護者が取り消すことができますが、次の場合は取り消せません。詳しくは、消費生活センターにご相談ください。

  • こづかい程度の金額で購入した場合
  • 未成年者が18歳以上であると積極的にウソをついた場合
  • 婚姻の経験がある場合

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3日前に鍋を購入しました。「クーリング・オフ」ができるのはどれでしょうか。

  1. デパートで購入した鍋
  2. 訪問販売で購入した鍋
  3. 通信販売で購入した鍋

回答2 訪問販売で購入した鍋

「クーリング・オフ」は一定期間内であれば消費者から一方的に無条件で契約を解除できる制度です。訪問販売や電話勧誘など突然勧誘されて契約してしまった場合や、マルチ商法、エステティックサロンや語学学校などの特定の商取引で契約した場合に認められています。
店頭販売や通信販売には、法的なクーリング・オフ制度はありませんが、返品を認めている場合もあるので申し出てみましょう。

規制される取引類型とクーリング・オフの期間

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取引類型 特徴 クーリング・オフ期間 トラブルの原因
訪問販売
家庭訪問販売、キャッチセールス、アポイントメントセールス、デート商法など
消費者の自宅など、営業所以外の場所で申込を受けて行う取引(営業所以外の場所で呼び止めて営業所に同行させた場合、販売目的を告げずに消費者に営業所への来所を要請した場合等を含む) 8日間 突然勧誘を受けて、十分理解できないまま契約をしてしまう
電話勧誘販売 事業者から電話をかけて勧誘し、申込を受けて行う取引 8日間
訪問購入 事業者が消費者の自宅へ訪問し、貴金属等の物品を買い取る取引 8日間
通信販売 郵便、電話、インターネット等の通信手段により申込を受けて行う取引 適用なし 事業者と対面して商品や販売条件を確認できない
特定継続的役務提供 身体の美化、知識・技能の向上などの目的で継続的にサービスを提供する業種
  • エステティックサロン
  • 美容医療
  • 家庭教師派遣
  • パソコン教室
  • 外国語会話教室
  • 学習塾
  • 結婚相手紹介サービス
8日間 長期・高額の負担を伴う
連鎖販売取引(マルチ商法) 商品代金や登録料等を払って販売組織に参加。新たに参加者を勧誘して商品等を販売して報奨金を得る取引 20日間 ビジネスに不慣れな個人を勧誘する
業務提供誘引販売 (サイドビジネス商法) 事業者が提供・紹介する業務を行って収入が得られると勧誘し、その業務のために必要な商品等を契約する取引 20日間

【参考】特定商取引法
〔昭和51(1976)年訪問販売法制定、平成13年(2001)年改正で特定商取引法に名称変更し施行/令和3(2021)年最終改正〕

事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。

事業者に対する行政規制

特定商取引法では、事業者に対して、消費者への適正な情報提供等の観点から、各取引類型の特性に応じて、以下のような規制を行っています。特定商取引法の違反行為は、業務改善の指示や業務停止命令・業務禁止命令の行政処分の対象となるほか、一部は罰則の対象にもなります。

氏名等の明示の義務付け

特定商取引法は、事業者に対して、勧誘開始前に事業者名や勧誘目的であることなどを消費者に告げるように義務付けています。

不当な勧誘行為の禁止

特定商取引法は、価格・支払条件等についての不実告知(虚偽の説明)又は故意に告知しないことを禁止したり、消費者を威迫して困惑させたりする勧誘行為を禁止しています。

広告規制

特定商取引法は、事業者が広告をする際には、重要事項を表示することを義務付け、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。

書面交付義務

特定商取引法は、契約締結時等に、重要事項を記載した書面を交付することを事業者に義務付けています。

民事ルール

特定商取引法は、消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするなどの機能を強化するため、消費者による契約の解除(クーリング・オフ)、取消しなどを認め、また、事業者による法外な損害賠償請求を制限するなどのルールを定めています。

クーリング・オフ

特定商取引法は、「クーリング・オフ」を認めています。クーリング・オフとは、契約の申込み又は締結の後に、法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間内(※)に、無条件で解約することです。

※訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日以内、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日以内。通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。

意思表示の取消し

特定商取引法は、事業者が不実告知や故意の不告知等を行った結果、消費者が誤認し、契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときには、消費者が、その意思表示を取り消すことができる旨を規定しています。

損害賠償等の額の制限

特定商取引法は、消費者が中途解約する際等、事業者が請求できる損害賠償額に上限を設定しています。

「特定商取引法」の詳細については、以下のページをご覧ください。

消費者庁「特定商取引法ガイド」

次のうち、「クーリング・オフ」ができるのはどれでしょうか。

  1. 自宅にやってきたセールスマンと売買契約を交わした自動車
  2. 路上で声をかけられ、現金で購入した2,980円のアクセサリー
  3. 訪問販売で勧められて購入した化粧品のセット

回答3 訪問販売で勧められて購入した化粧品のセット

1の「自動車」は、契約までに消費者が十分時間をかけて意思を決定することからクーリング・オフの対象外になっています。
2のように、「現金で3千円未満」の場合もクーリング・オフの対象外です。
3の化粧品や健康食品などの「消耗品」は、使用してしまったものについてはクーリング・オフの対象外になります。

その他、クーリング・オフの適用ができるかは、近くの消費生活センターに相談しましょう。

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クーリング・オフの通知の仕方で正しいのはどれでしょうか。

  1. 届いた商品の受け取りを拒否した。
  2. クーリング・オフ期間内にハガキを特定記録郵便で出した。
  3. クーリング・オフ期間内に電話で申し出た。

回答2 クーリング・オフ期間内にハガキを特定記録郵便で出した。

特定商取引法ではクーリング・オフは書面(※)で行うことと定めています。
クーリング・オフ通知をした証拠を残すために、ハガキの両面をコピーして「特定記録郵便」または「簡易書留」で出しましょう。「内容証明郵便」で出せばより確実です。

クーリング・オフは発信主義といって、クーリング・オフの書面を発した日(通常は消印日)が期間内であれば良く、業者が受取を拒否した場合や郵便事故等で業者に届かなかった場合でもクーリング・オフは有効です。クレジットで購入した場合、販売会社とクレジット会社の両方に同時に通知します。

クーリング・オフの期間計算は、業者から法的な要件を備えた書面(通常は契約書面)を受け取った日から開始されます。受け取った書面に不備があれは、期間計算が開始されませんから、クーリング・オフ期間を過ぎてもあきらめないで、近くの消費生活センターに相談しましょう。

※令和4(2022)年6月1日より、書面によるほか、電磁的記録でもクーリング・オフの通知を行うことが可能になりました。電子メールのほか、USBメモリ等の記録媒体や事業者が自社のウェブサイトに設けるクーリング・オフ専用フォーム等により通知を行う場合が挙げられます。FAXを用いたクーリング・オフも可能です。

クーリング・オフ通知はがきの記載例

ハガキ例

ハガキ例

「クーリング・オフ」の詳細については、以下のページをご覧ください。

独立行政法人 国民生活センター「クーリング・オフ」ページ

次のうち、中途解約できるのはどれでしょうか。

  1. エステティックサロン
  2. 英会話教室
  3. 資格取得スクール

回答 1エステティックサロン と 2英会話教室

エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師派遣、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの7業種で、契約金額が5万円を超え、契約期間が2ヵ月を超える(エステティック、美容医療は1ヵ月を超える)契約の場合、特定商取引法の継続的役務提供の対象になります。特定継続的役務提供の対象の契約は、理由にかかわらず中途解約をすることができます。中途解約時の損害賠償等の上限は下記のように定められています。

特定継続的役務提供の中途解約手数料と関連商品

エステティックサロン、美容医療、外国語会話教室、家庭教師派遣、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの7業種で、契約期間が2カ月を超え(エステティック、美容医療は1ヵ月を超え)かつ契約金額が5万円を超える契約が対象。5万円には入会金や教材など関連商品の代金も含みます。

中途解約に伴う解約手数料などの上限額

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業種 役務提供開始前 役務提供開始後
エステティックサロン 2万円 2万円または契約残額の10%に相当する額のいずれか低い額
美容医療 2万円 5万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額
外国語会話教室 1万5千円 5万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額
家庭教師派遣 2万円 5万円または1カ月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額
学習塾 1万1千円 2万円または1カ月分の役務の対価に相当する額のいずれか低い額
パソコン教室 1万5千円 5万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額
結婚相手紹介サービス 3万円 2万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額

関連商品

クーリング・オフや中途解約をする場合、サービスを受けるのに必要と言われて契約した関連商品も解約の対象になります。

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業種 解約対象の関連商品
エステティックサロン 健康食品、化粧品、石鹸(医薬品を除く)、浴用剤、下着、美顔器、脱毛器
美容医療 健康食品、化粧品、マウスピース、美容を目的として販売された医薬品・医薬部外品
外国語会話教室・家庭教師派遣・学習塾 書籍、USB、SDカード、DVD等の学習用ソフト、FAX機、テレビ電話装置
パソコン教室 パソコン、書籍、USB、SDカード、DVD
結婚相手紹介サービス 宝石、アクセサリー

「特定継続的役務提供」の詳細については、以下のページをご覧ください。

消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」

次にあげる悪質商法の説明を下のA〜Bのなかから選びましょう。

  1. キャッチセールス
  2. アポイントメントセールス
  3. 資格商法
  4. マルチ商法(ネットワークビジネス)
  5. 展示会商法
  • 販売組織の会員が、知人・友人のつてを使い「新しい会員を誘うと紹介料が入り簡単にもうかる」などと言って販売する商品・サービス(健康食品・化粧品・教材ソフト・投資情報など)を買わせ、ピラミッド式に組織を拡大していく商法。次々と会員を誘わないと利益があがらず、売れない商品を抱える上、友人や家族との人間関係を壊す危険性がある。
  • 電話やメッセージで「高額な景品が当たった」「モニターに当選した」などと勧誘し、販売目的を隠して営業所や喫茶店などに呼び出し、商品の購入契約をせまる商法。
  • 駅前や繁華街の路上で「アンケートに答えてください」などと言って声をかけ、営業所や喫茶店などに連れていき、契約しないと帰れないように仕向けて、商品の購入契約をせまる商法。
  • 無料入場券を配ったり、「見るだけでいい」「プレゼントがある」などと言って、展示会に誘い、長時間にわたり強引に勧め、商品を契約させる商法。
  • 電話などで「就職に有利」と言い資格の取得講座の受講や高額な教材の購入を勧誘する商法。「受講が未終了」「資格が取得できるまで契約は終わらない」といって新たな支払いを要求してくる二次被害もある。

回答※各アルファベットに対応した答えを以下より確認してください。

  • 4 マルチ商法(ネットワークビジネス)

    「会員を増やせば簡単にもうかる」「もうかったらすぐ返せるから、学生ローンや消費者金融で借りたらよい」などと言って勧誘をし、高額な教材や情報端末などを購入させます。マルチ商法は、「連鎖販売取引」として特定商取引法で規制されており、契約書面を受け取ってから20日以内であればクーリング・オフができ、中途解約もできます。新たな販売員(会員)を勧誘・加入させ、一定額以上の商品の購入・販売を継続していかなければならないため、商品が売れずに在庫や借金をかかえたり、大切な友人関係が壊れることもあります。特定商取引法に違反するマルチ商法は違法行為であり、加担すれば、あなたは「被害者」だけでなく、「加害者」にもなるのです。

    ★投資・副業用教材、複合サービス会員、健康食品、化粧品などの商品が多いです。

  • 2 アポイントメントセールス

    電話やメール(ショートメッセージ)で「景品が当たりました!」「モニターに当選しました!」などと勧誘し、販売目的を隠して営業所や喫茶店などに呼び出し、商品の購入・契約をせまる商法です。SNSやアプリで異性から親しげに誘われ、デート気分で会う約束をして店舗に連れていかれ、恋愛感情を利用して長時間にわたって勧誘を続けるなど、断りづらい雰囲気で契約をしてしまうことがあります。契約書面を受け取ってから8日以内であれば、クーリング・オフすることができます。

    ★アクセサリー、宝石、教材、絵画、洋服などの商品が多いです。

  • 1 キャッチセールス

    駅前や繁華街の路上で「アンケートをお願いします」「モデルに興味はありませんか」などと声をかけ、営業者や喫茶店などに連れていき、契約をしないと帰れないように仕向けて、商品の購入・契約をせまる商法です。契約をした場所が営業所などであっても、販売目的を告げられずに勧誘された場合には「特定商取引法」の規制を受け、契約書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフすることができます。

  • 5 展示会商法

    街頭で無料入場券を配ったり、SNS上のメッセージのやりとりで「見るだけでいい」「プレゼントがある」などと展示会に誘い、長時間にわたり強引に勧め、商品を契約させる商法。販売目的を隠して誘い出された場合など、訪問販売と見なしてクーリング・オフが適用できることもあります。

    ★絵画、呉服、アクセサリーなどの商品が多いです。

  • 3 資格商法

    電話やSNS・インターネット広告で「受講すれば就職に有利な資格が取れます」などと言って勧誘し、高額な教材や講座の契約をさせる販売方法を「資格商法」と呼んでいます。「受講が未終了」「資格が取得できるまで契約は終わらない」といって退会手続き料や授業料の未納分などを請求してくる二次被害も発生しています。断っても延々と勧誘され、契約をしないと帰してもらえそうにないので契約をしてしまった場合には、「消費者契約法」で契約を取り消すことができます。

他にも注意すべき悪質商法に関する情報はこちらをご覧ください。

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ポイント 消費者被害にあわないための7か条

  1. いらないものは「いりません」とはっきり断ることが肝心。
  2. 呼び出しや甘い誘いには簡単にのらない。
  3. その場ですぐ契約せず、よく確かめて、家族や友人など信頼できる人に相談する。
  4. 個人情報(住所・氏名・電話番号・カード番号等)を安易に提供しない。
  5. 納得できない請求への支払いは慎重に。
  6. ネット取引では、相手の連絡先の確認と契約成立の画面を保存する。
  7. おかしいと思ったら、消費者ホットライン☎188(いやや!)へ。

借りていた下宿から引っ越すことになりました。次のうち、借りていた人が原状回復のために費用を負担しないといけないものはどれでしょうか。

  1. 日焼けによる壁紙や畳の変色
  2. キャスター付きイス等によるフローリングの傷・へこみ
  3. ポスターやカレンダーを貼ったあと

回答2 キャスター付きイス等によるフローリングの傷・へこみ

住宅の賃貸借契約が終了したときは、借主は住宅を元の状態にして明け渡す義務(原状回復義務)があります。年数の経過や通常の使用で自然に悪くなったものの補修や修繕にかかる費用は通常の家賃に含まれていると考えるため、貸主の負担になりますが、借主の故意・過失や通常の使用を超えるような使用による場合は、借主の負担になります。

国土交通省の現原状回復をめぐるトラブルとガイドラインより

貸主が負担すべきと考えられるものの例

  • 家具の設置による床・カーペットのへこみ
  • 畳の変色、フローリングの色落ち
  • 日照などの自然現象によるクロスの変色
  • ポスターやカレンダーをかけるためなどに使用した画鋲の跡
  • 自然に発生した網入りガラスの亀裂
  • 鍵の取替え(破損、鍵の紛失がない場合) 等

借主が負担すべきと考えられるものの例

  • 通常の清掃(ゴミの撤去、掃き掃除、水回り清掃、換気扇やレンジまわりの油汚れの除去)
  • 引越作業で生じたひっかき傷
  • キャスター付きのイス等によるフローリングの傷・へこみ
  • 重量物をかけるためにあけた下地ボードの貼り替えが必要なくぎ穴やねじ穴
  • 台所の油汚れやすす
  • 結露を放置したことにより拡大したカビやシミ
  • 風呂、トイレ、洗面台の水あか、カビ
  • タバコ等のヤニ・臭い
  • 鍵の紛失、破損による取替え

「原状回復」の詳細については、以下のページをご覧ください。

若者をねらう悪質商法から身を守る国土交通省「『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について」

【参考】 賃貸住宅のトラブルを防ぐためのチェックポイント

賃貸住宅を契約するときや入居・退去するときは次のことに気をつけましょう。

  1. 物件を選ぶとき

    ネットで下調べをしましょう

    不動産仲介業者のホームページで、沿線と駅、物件の築年数、間取りと専有面積、家賃、駅からの時間などをチェックし、気に入った物件があれば詳しい情報を取り寄せましょう。

    複数の仲介業者をあたりましょう

    複数の仲介業者が同じ物件を扱っていることがあります。家賃が高いわりに、敷金や礼金が安く抑えられていたり、その逆もあります。複数の業者をあたって、情報を集めましょう。

    広告だけで判断せず、必ず現地に行きましょう

    「日当たり良好」でも幹線道路沿いで騒音や排ガスがひどかったり、「駅前で便利」でも夜になってもうるさいなど、現地に行かなければわからないことがあるので、必ず足を運びましょう。

  2. 契約時の注意点

    重要事項を確認しましょう

    不動産仲介業者は、契約前に、借りる建物の設備等の状況、契約期間、契約の更新、契約終了時の敷金精算等の契約条件などが書かれた「重要事項説明書」を書面で手渡し、説明することになっています。理解できないことや疑問があれば納得するまで質問しましょう。

    契約条件を確認しましょう

    契約書に事業者の説明どおりの記載があるか、退去する時はいつまでに言えばよいのか、原状回復の範囲と内容、敷引の条件、禁止事項など契約内容を十分確かめましょう。意味がわからないときや納得がいかないときは説明を求め、十分理解できるまでは契約しないことです。原則として、貸主と借主の双方が賃貸借契約書に記名・押印した時点で、契約は成立します。いったん契約すれば解約はできません。契約書は大切に保管しましょう。

  3. 入居・退去時の注意

    現状を記録しておきましょう

    退去時の修繕費用等をめぐるトラブルは、入居時に損傷があるかないかが原因となって発生しています。入居時に現状を確認しましょう。物件の状況を写真に撮っておくとよいでしょう。

    退去日の申し出

    前もって退去日を申し出ましょう。退去の申し出を行う時期や申出方法などは、契約書で通常定められています。期日を過ぎてから申し出ると、通知しなければならなかった日から申し出た日までの賃料を請求されることがあります。

    退去時の点検に立ち会いましょう

    点検には必ず立ち会い、過失による損耗か、自然損耗かをはっきりさせ、修理の負担を話し合いましょう。修繕費の請求を受けたときは、明細書を確認してから支払いましょう。

豆知識

賃貸住宅を借りるのにかかる費用

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礼金 月額賃金の1〜2か月分を貸主へ払い、返還されません。地域により不要な場合もあります。
敷金(保証金) 借主の家賃滞納や不注意による修繕費用等を担保するために、契約時に貸主に預け入れるものです。家賃の滞納や、不注意等による損耗(キャスター付きイス等によるフローリングの傷・へこみ、飲み物をこぼしたことによるシミ・カビ、重量物をかけるための壁等のくぎ穴・ねじ穴等)がなければ返還されます。なお、関西の習慣で、契約のなかで入居中の破損・汚損の費用として、敷金から一定の金額を差し引くことを決めている場合があり、これを「敷引」といいます。
仲介手数料 不動産仲介業者に支払うもので、原則、貸主と借主が月額賃料の半分+消費税ずつを負担します。借主側が月額賃料+消費税を支払う場合もありますので、契約時によく確認してください。
管理費・共益費 共用部分の清掃費、修繕費、電気代等にあてられます。
火災保険 入居時に勧められたら加入します。建物の構造等により金額は異なります。
重要事項説明書 契約時に必要な費用、賃料の発生日、入居可能日、禁止事項、確認条件等を確認するものです。

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